風景写真や航空写真において、焦点距離は単に「被写体を大きく写す」ためのものではありません。画角、圧縮効果、そして前景・主題・背景の見え方の関係に大きく影響します。これまで SimLens で撮影時の条件を再現する場合、横位置の写真であれば比較的直感的に焦点距離を合わせることができました。しかし、縦位置で撮影された写真では、カメラの向きが変わることで水平画角も変化するため、焦点距離の推定にずれが生じやすいという課題がありました。
本日、SimLens に「横位置/縦位置切り替え」機能を追加しました。これにより、撮影時の実際の構図方向に合わせて横位置または縦位置を選択し、そのうえで主視点と参照点を使って画角をシミュレーションできるようになりました。一見すると小さな UI の追加に見えるかもしれませんが、望遠・超望遠での撮影計画では非常に重要な機能です。特に縦構図の写真を横位置の画角のまま再現しようとすると、焦点距離の推定が短すぎたり長すぎたりする可能性があります。
今回の検証には、私が榮星花園付近から台北松山空港の進入経路方向を撮影した写真を使用しました。写真の中では、日本航空の機体が市場の看板や街並み、人混み、傘の並ぶ都市風景の奥を通過し、その背後には緑の山並みが写っています。画面全体には強い望遠圧縮効果があり、飛行機、街路、看板、建物、山の背景が同じ視覚平面に重なって見えます。このような構図では、焦点距離が少しずれるだけで、飛行機の大きさや位置、街並みとの関係が大きく変わってしまいます。
今回のテストでは、SimLens の縦位置モードを使い、榮星花園から松山空港の進入経路を望む構図を地図上で比較しました。元の撮影情報は340mm、保存された SimLens 画面は341mmを示しています。数値が同じという意味ではなく、一つの構図比較の記録です。あらゆる場面の精度を保証するものではありません。
風景写真を撮る人にとって、これは縦構図の望遠撮影をより安心して計画できるということを意味します。飛行機の進入シーン、都市景観の圧縮表現、山並み、懸日、あるいは遠くのランドマークを道路や橋、建物の間にぴったり収めたい場面でも、SimLens を使えば実写に近い結果を事前に確認できます。撮影に出かける前に、頭の中のイメージを地図と焦点距離のシミュレーションによって検証可能な撮影計画へ変換すること。それが SimLens の目指していることです。

